論考:アクションエコノミー時代に見えないボタンを押せ

3年振りにながめの論考をかきました。我ながら とてもよくかけてると思います。転職して5年、血のにじむような体験をして(笑)蓄積からうまれた思考がほとばしっています。ある懸賞論文に応募してましたが あえなく落選したのでブログで公開してしまいます…

2015年の仕事たち

ずっとひきこもりでしたが、最近ようやく世にではじめたので メモがてら2015年の仕事をまとめておきます。ようやく美術の仕事がすこしずつできるようになってきたのがとてもうれしいことでした。 2015年3月 【東京都現代美術館】ガブリエル・オロスコ展 公式…

2014年の抱負

2014年になった。32歳になった。電通に転職しておよそ3年たった。社会人になって10年たった。これまでのぼくは実務と理論の融合、実学から発生したプラグマティックな研究、といったことを標榜し、自身のポジショニングを長らく考えてきた。しかし30代となっ…

パリとアートインダストリー

ある機会にめぐまれてフランスーパリに1週間ほど滞在してきた。ぼくは子供のころからアートについて考えてきた人間なので、一度はパリにいかないとダメだと思いながらずっと行けてなかった。30歳をこえてついに実際にルーブル美術館やポンピドゥーセンターに…

論考:アブダクティブ・イシュー 〜 Why to Sayを問う構想力 〜

これからの広告における想像力のあり方について論考をまとめました。つねづねぼくはクリエイティビティとは、すなわちアブダクティビティであると考えてきました。クリエイティブという概念はもっと抜本的に変わるべきです。もうひとつの動機として、マーケ…

論考:第三の広告 〜 エゴフーガリストの生み出す力と育てる力 〜

2010年に『.review』という批評誌で発表した論考をこちらでも公開します。ウェブサイトでも公開されてましたが閉鎖されてたので。この論考で考えてたことやいきさつについてはこのエントリでかいたのでご参考までに。 第三の広告 〜 エゴフーガリストの生み…

プロセスにこそ企画は宿る

広告はアイデアとデザインの時代から、ストーリーとテクノロジーやクラフトワークの時代へと変わったと主張する人がいる。この主張に異論はない。エビデンスを持った人こそ強者になるべきだと思う。賛成である。ただここでひとつ抜け落ちている観点がある。…

中小と大手広告代理店のちがい

ぼくは7年つとめた中小広告代理店をやめて、2011年2月に電通へ転職した。それから約3ヶ月たった。その間に知人から必ず尋ねられるのは「なんで転職したんですか?」「転職していちばん変わったことはなんですか?」である。この質問は転職した人ならだれしも…

ベアトリーチェの挑戦状 × 自律と贈与

PS3版『うみねこのなく頃に 〜魔女と推理の輪舞曲〜』が2010年12月16日に発売された。ぼくは公式サイトの制作をお手伝いしており「ベアトリーチェの挑戦状」という特殊なプロモーションを行っている。毎週、魔女がプレイヤーに対して挑戦を投げかけ、プレイ…

VAIO Xを買う人へ

ある人から「VAIO X と iPadのどちらを買うか迷っている」という質問をうけた。この2つに魅力を感じて、どちらを買うか、あるいはどちらも買うか迷ってる人はけっこう多い気がするが、ググってみてもその比較をした記事があまりないようだ。そこでどちらも…

クリエーティブは□の外へ

日本広告学会が主催する第三回クリエーティブ・フォーラム「クリエーティブは□の外へ」へ出席してきた。ワイデン+ケネディの伊藤直樹、the.ltdの中村勇吾、人材プランナーの山本直人、東海大学の小泉眞人、博報堂の須田和博など、たいへん豪華な顔ぶれだっ…

マクルーハン再考 4

高校二年生の時にかいた小論文で、我ながら気になってやまないフレーズがある。 「パウル・クレーの線は、メディアである」NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』で、漫画家の浦沢直樹が愛好するロダンのクロッキーを皮切りに、絵の輪郭線について語っている…

第三の道と第三の広告

Twitterをはじめてから半年も経たないのに、世界がダイナミックに動いていって毎日ついていくのが大変なほどだ。そんなTwitterの潮流が続々と押し寄せるなか、『思想地図』の論考で注目をしていた研究者・西田亮介が「.review(ドットレビュー)」という批評…

owatter つぶやきのなく頃に

「ひぐらしのなく頃に絆」が第四巻で完結した。最後の記念に「owatter つぶやきのなく頃に」というTwitterを使った掲示板サイトをつくった。 Twitterでハッシュタグ #kizuna4 をつけてつぶやくと、この掲示板にみんなのつぶやきが表示されて楽しめる仕掛けに…

朝日広告賞2009

まいにち睡眠3時間が1年くらい続いてないかという生活を過ごしています。Twitterでの活動がおもしろすぎて、どうもブログが手薄になってしまいますが、ぼくの思考の居場所はブログだと思ってるので、見えない読者の方々、今年もよろしくお願いします。 そ…

2009の結果

ぼくは1月1日のエントリで、2009年は引きこもりつつプラグマティックに生きたいと言った。その目標はまるで達成されていないと言ってよい。引きこもるどころか頻繁に出かけてあらゆる人と対話したり、プラグマティックというより単に現実的であり、作業労働…

啓蒙かまぼこ新聞

小説家の中島らも。彼がコピーライターだった時代の代表作に『啓蒙かまぼこ新聞』という伝説の雑誌広告がある。2ページの見開きで、カネテツデリカフーズのかまぼこをネタにして、商品とは何の関係もない、中島らものふざけたエッセイや4コママンガ、読者…

レイバーワーク

沢山遼『レイバーワーク:カール・アンドレにおける制作の概念』を読んだ。この論文は美術手帖が主宰する芸術評論賞の第一席(グランプリ)を受賞している。ちなみに面識はないが沢山さんは私の大学の、そして同じ学科の後輩である。生まれて10年足らずの学…

集まる創発と群がる創出

ある論文を書き終えて、ほっと一息している。ブログをさぼってTwitterばかりやってたので、そこで貯めたメモをブログで書いていくことにしよう。それにしてもTwitterを試していて確信したのだが、私はTwitterそのものは否定しないのだが、Twitterに群がって…

アクセス数とブックマーク数

こんにちは。論文の執筆が滞ってて、なかなかブログを書く余裕がなくなってるtakumauです。しかしこの間、いろんな本を読んでヒントを得たので、論文が終わったらそのエッセンスをちょこちょこ書いてみたいと思います。 ところでひさびさにブログのアクセス…

アイ・ウェイウェイ展

ひさびさに美術熱が高まっているtakumauです。 森美術館で「アイ・ウェイウェイ展― 何に因って?」を観てきました。スライドショーはこちらです。アイ・ウェイウェイは中国の現代美術家のスター。北京オリンピックのスタジアム「鳥の巣」を考えたのはウェイ…

愛について100の物語

夏休みをつかって、金沢21世紀美術館で開催された「愛についての100の物語」を観てきました。高校の先輩である照屋勇賢さんの作品を観たかったのですが、Zone2の展示は7月までだったので終了・・・。川上未映子のポエムも7月だったようで、なんのために行っ…

アプリ導入

こんにちは。齢28が近くなった今から、デザイナーを目指そうかと企んでしまい「とりあえず・・・Macのソフトを買おう!」と意気込んでいる専門学校に入るまえの浪人生の気持ちとなんら変わることのない若い子ぶりっこの takumauです。 この年になって違法DL…

文字の認識

ケンブリッジ大学のある研究員が行っている認知心理学っぽい研究が、2ちゃんねるで話題になっているそうです。人間は文字を読むとき、ある程度の文字列が入れ替わっても、普通に元通りの文章のまま読めてしまうという実験があるらしい。例えばこんな文章。 …

マクルーハン再考 3

2008年に休刊になったInterCommunicationの最終65号で、東京芸術大学の佐藤雅彦は、ある意味体系を含んだ物理的信号のことを情報だと定義し、その情報を送り手と受け手のあいだで意味を共有させる行為をコミュニケーションだと定義した。そこで佐藤との対談…

フロー型のアーキテクトを批判する

Twitterを試してみました。こちらから私のIDにアクセスできます。私の心のなかのつぶやきがそのままあらわになっているので、あまり見ないでいただきたいものです。ここで書いていることはすべてネタということで・・・(1割くらい本気が混じってますがww…

広告白書2009

日経広告研究所から『広告白書2009』が発売されました。私はインターネット関連の項目を担当しています。 2008年から現在にかけての最も大きな変動は、日本の総ページビュー数がはじめて減少したにも関わらず、逆に総利用時間が向上したことがあげられるでし…

物語論から表現論へ 4

表現論の分析と名付けながら、実際にやっているのは京都アニメーション(略称:京アニ)の太鼓持ちばかりをしているが、実際に京アニこそが表現レベルにおいて評価されるべき作品を数多く残しているから仕方がない。では開きなおって、京アニの優れたところ…

物語論から表現論へ 3

『涼宮ハルヒの憂鬱』の第二シーズンが始まった。このアニメではとんでもない実験が行われていて、呆然とした。第13話と第14話の構成と脚本を寸分足りとも同じにとどめながら、セリフ回しを少しだけ変えつつ、演出をガラリと変えることで作品を成立させてし…

物語論から表現論へ 2

アニメ『けいおん!』のオープニングをずっとずっと、永遠にループしていて、何千回見たのかわからなくなってきた。この90秒には表現で表現すべきことはなにか、そのすべてが詰まっているような気がする。もはや批評ができない状態になっているわけだ。批評…