53×ビジュアルアイデア

朝日広告賞の応募が始まりました。今年は3年振りに出そうと思います。前回から、はや3年も経つのか…。ちなみに3年前の作品
大学生の頃、ゼミの教授に「ガチで朝広出しとけ、学生のうちに獲っとかんとダメだよ」と言われ続けたのを、まじめに聞いとけばよかったものです…。(その頃、ラーメン屋になるための基礎研究に没頭してましたw)
ぼくの場合、絵を創ることはそこそこ出来るつもりなのですが、ビジュアルアイデアを考えることが不得意です。だからアイデアとビジュアルアイデアはまったく別の思考回路が働くんだと考えてます。わかりやすく言うと、アイデアは、コピーライターの領域で、ビジュアルアイデアは、アートディレクターの領域です。朝日広告賞の2008年度でいうと、大賞はビジュアルアイデア先行で、入選作はアイデア先行だと言えます(興味ある方はググってみてください)。
ぼくはよく「アウトプットを想像しよう」と言ってますが、これはビジュアルアイデアを考えようという意味で使ってます。しかもぼくの意味するビジュアルアイデアとは、細部に至るまでの想像を指しています。これを持たない企画屋には注意しましょう。参考:「定着のイメージを持たないコミュニケーション・デザインの気持ち悪さ」


例えば人形をつくるとしたら、どんなキャラクターにするかよりも、その色や材質、重量、ミシンの縫い方、影の落とし方、手触りのザラつき感はフェルトにするかレザーにするかヌバックにするか…。それをグラフィックの画面へ定着させ、マット紙の大型インクジェットで出力した時に、どんなサーフェスを形成するかまでを想像した上で、人形を決定するような人。それがビジュアルアイデアが産み出せる人だと思ってます。まぁそういう人なら、自分で全部作っちゃいますけどね。

例えば大貫卓也さんは、その典型な気がします(だから尊敬してます)。大貫さんはどういう風にして、ビジュアルアイデアを想像しているのでしょうかね。ぼくの友人は、大貫さんが真後ろから指示されまくってる中で写真加工をする仕事なのですが、異常の異常を超えたくらいのこだわりをお持ちだそうです。

亡くなった野田凪さんもぼくが好きな想像のフローをされる人だったんじゃないかなぁと感じてました。実は一緒に仕事をできる機会がありそうだったので、とても残念です…。ご冥福をお祈りします。