2007-01-01から1年間の記事一覧

10×想像力

先日、NHKのETV特集 『21世紀を夢見た日々・日本のSF50年』を見ました。ひいき目でなく、とてもいい番組だったと思います。 http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2007/1021.html まぁ私が単にSFファンであるため、興奮してるだけなのですが…。日本の…

9×決断

北海道へ旅行していた時、澁澤龍彦の展覧会で、澁澤の友人でもある三島由紀夫が寄稿した、ある文章に出会う機会に恵まれた。 「純粋性とは、結局、宿命を自ら選ぶ決然たる意思のことだ」 共同体主義 から 個人主義 に推移していく情勢のなかで、ゼロ年代には…

間主観性と合意形成

先日、私は今の現代美術には、コンテクストが共有されていないと述べた。 これをやや哲学的に言い換えるならば、間主観性を欠いているのを知らずに 作家と鑑賞者はそれぞれ勝手なコミュニケーションを行っていると言える。その状況はある面で、現代社会の様…

44×入門書

共著で出版本を書いている。広告業界の入門書だ。何気に本での執筆は初めてかもしれない。それにしてもレギュレーションがけっこう厳密で、かなりストレスを感じる。 例えば字数はもちろん、指定テーマへの徹底、語法の統一、自己を滅して客観性のみ明示、前…

16×ひぐらしのなく頃に4

16歳の少女が父親を殺害した事件で、凶器は斧だったことから事情聴取したところ、『ひぐらしのなく頃に』を参考にしたという供述がありました。その供述を待たずして、ひぐらしのアニメ放送は今週中止となりましたが、この発言により打ち切りは免れないでし…

43×地上デジタル放送

事情あってこのような小論を書いた。地デジなどほとんど興味ないので、無理やりニコニコ動画の話にしている。そっちの方がラディカルだしね。とはいえ下記の小論は、私の最新の考え方をわかりやすく整理できたように思う。よければご感想などお願いいたしま…

7×深夜の一人討論

論でも何でもなく、ただの愚痴ですけど。日曜の深夜から会社にきて、翌日までしこしこ作業しまくってる私ってどうよ。もう趣味で考えないとやってられませんな。ビジネス用の書類にスケールフリー・ネットワークとかアフォーダンスとか、科哲用語使いまくり…

12+42×メタ広告2

うーん、いかん。mixiばっかり書いて、ブログが放置気味ではないか。mixiは公開したくないプライベートなメモ。ブログは自分の考えを表明するものとして位置付けているが、気づけばブログが高尚化していないか。とうぶんmixiは自粛したいものだ。 さてところ…

6×スピード品質

P&Gが資生堂「TSUBAKI」を超える広告予算(50億円以上)をかけて、超一大キャンペーンを仕掛けているという噂が流れてます。これはそのひとつでしょうか。 http://www.paratri.jp/# 8/1に真相を解明するらしいのですが、たぶん新発売するなんかのシャンプ…

41×メタ広告

最近、広告風景のなかにメタ広告が増えている。メタ広告とは、広告行為そのものを広告の対象にしてメッセージとすることで、例えばテレビCM中に「広告にお金をかけないで商品に力をかけたから、ぼくたちは静止画になってるんだよ」という表現(花まるきの…

8×ヘンリー・ダーガー

原美術館でヘンリー・ダーガー展を見てきました。7/16まで開催しており、BTでも特集され、ギリギリの日曜だったためか、大変な混雑でした。ダーガーのような作家は、本来、日本には合わないような気もするのですが、少女をモチーフにした意匠と、アウトサ…

11×SFとラノベの結婚

批評家の東浩紀による文化庁批判エントリが、ものすごいブックマーク数を稼いでるみたいですね。現在、421 usersです。ちなみに私のエントリで最高は、6 usersです(泣)。私もどうも運が悪いのか、出版社の編集部であまりマトモな方にお会いしたことがない…

40×コンテクスト・ディレクター3

電通のIC局でコミュニケーション・デザイナーという新しい職種名で、新しい広告のあり方を模索している岸勇希という方の講演を聴く機会に恵まれた。Nintendo DSの『漢研』のプロモーションや、結婚式場『マリエール』のCM連動型サイトを手がけたことで一…

10×儀礼的消費社会2

かねてのブログから、mixiへと流れ込む人民が次々と止まらないらしい。これはなぜか。mixiでは友人知人がコメントを残してくれるからである。 この状況は社会学者たちによって「ネタ的コミュニケーション」とか「繋がりの社会性」と呼ばれており、私もアーヴ…

39×コンセプト/ブランディングの廃止

私はこれから「コンセプト」と「ブランディング」という用語を使わないようにしようと思っている。前者については、第一に用語の解釈が人によってあまりにも揺れ幅が大きすぎること。そしてもはや小さな物語が跋扈する知識情報社会において、まったく新しい…

38×広告理論におけるMFA

先日、広告論で著名な小林保彦教授の講義を聴講する機会に恵まれた。実務家に向けての概論的な話なので、極めてわかりやすいものであったがその言は示唆に富んでいた。アメリカの広告は理論ばかりが先行して現場は立ち遅れていて、日本の広告は進んでいる、…

9×儀礼的消費社会

繋がりの社会性、アイロニカルな没入、ネタ的コミュニケーションの台頭。60年代の高度成長社会は「機能」を必要とし、80年代の消費社会は「記号」を食い散らかしていたが、「機能」も「記号」も一種のコンテンツとして消費されていた。だが00年代の私たちは…

37×コンテクスト・ディレクター2

過日のエントリーで筆者は、アートディレクションの手触りを技能として携えながらも、ポリティクスかつ戦略的な思考法ができる存在をコンテクスト・ディレクターと名付け、いま最も求められている職能だと述べた。これは前々から議題として掲出している感性…

7×禁欲とセレンディピティ

むかし、一本の長いひもで婦女の肖像画を描こうと試みたことがある。むろん何本もの、ひもを使ってもよかったし、油彩でも水彩でも構わなかった。当時の私は自分の表現力に限界を感じていたからこそ、あえて自分に制限を設けることで、何かの偶発を引き出そ…

36×プレミアム

コンビニで「プレミアム」と名付けされた消費財が増えている。ビール、スナック菓子、サービス産業もそうだろう。そうしたブランド商品にはこれまで、自己の思いがいかに投影されているか、カスタマイズされた表現ができるか主観的価値こそブランドを形成す…

5×くさくさ

まわりの人たちが、会社をやめていく。毎月、多いときは毎週のように送別会ばかりに出ていて、なんか悲しくなってきて、きょうは行くことさえ突然やめてしまった(つまりドタキャン)。なんでこんな、むなしい気持ちになるんだろう。新天地でもがんばってほ…

13×ゲーム的リアリズムの誕生

東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2』を読んだ。 本書において東は重要な示唆をいくつも提示しているが、とりわけ鮮麗だったのは自然主義的読解から環境分析的読解への変遷、あるいは並存についての記述だ。これは一瞥すると作家性…

35×コンテクスト・ディレクター

最近の仕事は、クリエイティブまで侵入せざるをえない案件が増えている。ストラテジックな解決は、結果として広告出稿を必要とするため当然である。しかしここでやっかいなのは、ストプラがクリエイティブを考えていいのか、という問題系である。私はコピー…

4×感性判断

優秀な人と、そうでない人の最大の違いは、判断ができるのかどうか。そしてそれを即座にできるのか、ということに尽きると考えます。判断をいつまでも保留してるのは最悪です。返事をしないまま、風化するまでほっとく奴には何もいうことはありません。ちな…

10×Rimo

はてながインターネットテレビ「Rimo(リィモ)」をはじめました。 http://rimo.tv/YouTubeで人気の動画を自動再生するというもの。Wiiで再生すると、Wii専用の画面になります。 なんてことのないアイデアだし、見た目もマッドムービーみたいで汚いですよ。…