10×想像力
先日、NHKのETV特集 『21世紀を夢見た日々・日本のSF50年』を見ました。ひいき目でなく、とてもいい番組だったと思います。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2007/1021.html
まぁ私が単にSFファンであるため、興奮してるだけなのですが…。日本のポップカルチャーが成立している影には、偏見を受け続けてきたSF作家の想像力と実践的な活躍があったことを、様々な立場の人からインタビューしつつ、ルポしたドキュメンタリーです。
ここで登場した人物に、星新一、小松左京、筒井康隆、手塚治虫、三島由紀夫、眉村卓、豊田有恒、円谷プロ、松本零士、平井和正、鏡明、庵野秀明、今敏、折原みか、澤本嘉光など。さすが50年を語るだけあって、豪華な顔ぶれである。
そしてこの番組の主張は、私がつねづね言っていることと通底するものがある。
普段、私たちが見慣れている文化やモノは、氷山の一角に過ぎない。その下支えには、士農工商犬畜生SFと言われようが、キモオタとけなされようが、鑑賞も干渉する価値もないゴミクズと思われようが、あらゆる人々の「想像力」のおかげで、構築されているのだ。孤独に「想像力」を高めている人々にこそ、本当におもしろい何かが眠っているのだ。
私は、美術でも文学でも哲学でも建築でも工芸でもデザインでも料理でも(映画と音楽を除いて)、あらゆる表現と呼ばれるものが好きなのですが、いまの日本の表現はかなり「想像力」を欠いているように思ってしまう。
この「想像力」という言い方には誤解が多そうなので、また別の場所で詳しく書きたい。