5×ボトムアップ

3年前のぼくは、故・中島らも氏の生き方に憧れて「宣伝会議」という雑誌が主宰しているコピーライターを養成するスクールに通うことを決めた。このサイトで日誌をはじめたのもこいつがキッカケだった。そのころ週1ペースで更新してアップしていた。だけど、同じ講座に通う仲のよい先輩からバカにされたような批判を浴びて、リンク停止にしてしまっていた。当時のぼくは軽率なくせ傷つきやすく、人の意見をわりかしよく聞いてたのである。

たしかにいま読み直すと、とにかくこっぱずかしいだけのアホなことしか考えてない。でもこれはこれで価値のあるものだろう、と思い、もう一度アップさせてみたいと思った。

http://userhost-1.cmo.jp/~takumau/DIARY/sendenkaigi/copy.html


ぼくたちは人間の価値を「点」で試すのではなく、あくまで時間軸による「線」で捉えようと努めている。ジャック・デリダだって初期の仕事は思弁的な哲学史上に風穴をあけることを目的としていたのに対し、昨今に至るまでの仕事は政治のアクチュアリティに身を染めていた(デリダも、らもさんも死んでしまった。いぬも職務についてしまった。2004年は枕を濡らさずにいられない年だったな)。

理論と実践。そんな2人のデリダがいてようやくデリダが捉えられるように、いぬも2匹いるからこそ交尾ができ、かわゆいワンちゃんが生まれるわけである。昔いってたことはあくまでぼくの切れ端だけど、尻尾というぼくの一部がなければいぬとは認められない。だから全部アップすることにした。ただ、ぼくの場合は実践が先にきて、理論が後になっている。これは流行りのボトムアップという奴であろうか。ああ、なんと。最もきらいな言葉のひとつを見事に体現してるじゃないか。