3×コモンスフィア

めでたく、コモンスフィア http://commonsphere.jp/ のサイトが開設されました。オープンソース運動の法的基盤となる「クリエイティブ・コモンズ」(以下CC)をバックボーンとして、国際大学グローバルコミュニケーションセンターがそのホスト役となっています。

まるでぼく(いぬ)みたいな右の生命体は、ライトノベル周辺でカルト的な人気の、西島大介氏による作です。……ベタな命名ですが、オープンソース・キャラクター「コモコモ」(笑)。ベクターデータで公開されてるので、ある程度、好き勝手に改変したり転用したりしてもOKなわけです。クリエイティブ・コモンズの9つのライセンスに合わせ、9つの「コモコモ」が公開されてます。とても分かりやすく説明されてるので、興味のある方はサイトをご覧になってみてください。

それにしてもCC運動を進めるなかで、一番大事、というより、ひとが何に興味を持つか根本的に考えてみると、権利うんぬんより、まずやっぱりクリエイティブそのものに目が行くんですよね。西島氏のインタビューを参照しよう*1

西島:
たとえば一番効果的なのはなにかと考えると、もしディズニーみたいなところがミッキーマウスにCCをつけてオープンソース化したら、それはもう全てが変わるくらいのインパクトがあると思うんですよ。最終兵器みたいな(笑)。たとえば僕が描いた「コモコモ」より、CLAMPが「モコナ」を解放したほうがよっぽど影響力はあるでしょうし、ジャニーズの写真にCCがついて使えるようになるのでもいい。状況を変えるインパクトを与えるという意味では、自分は役不足だと思っていますね。

CCを支援するアーティストやミュージシャンに決定的に欠けているのは、メジャー性なのです。日本のクリエイターでいえば、せいぜいコーネリアスで限界どころ(失礼!)。もちろん英国や欧米ならもっと理解度は高いと思うし、アンディ・ウォーホールマルセル・デュシャンが生きていればやはりCCに賛同していたでしょう。

時代はCCに追い風が吹いているのも事実ですが、障壁をつくるのを良しとする情勢でもあるわけです。つまり二極化ですな。アングラとメジャーの棲み分けといってもよい。それは消費する側が二極化することでもあるし、資本家がメジャーに寄り添っているという意味でもある。ぼくの価値観では、本当のクリエイティビティとは、メジャーであり、同時にハイクオリティでなければならないと思っています。そのために本気でCCを広めるならば、オープンソースという外郭(ハード)の原理を訴え続ける一方で、クリエイティブ(ソフト)の原理を問い直していくアナログな作業を強いねばならないと思っています。