×人間の条件2
私はいまの仕事に、まったく興味がありません。
というよりむしろ、仕事とは一体なんであるのかわからなくなってきました。なぜ仕事をしなければならないのか。GWも東浩紀の会もなおざりにされ、憤っているだけでなく、長年務めてみてその概念への強い違和感は日に日に高まってきています。
だから、すごく楽しそうに仕事をしていますね、と言われたのは新鮮な驚きでした。確かに対外的には絶好調だし、大波に乗ってるのかもしれません。しかしながらその状況は私をますます不安にさせます。仕事を快楽と達成感の拠り所にして、多忙であることに安堵し、逆に楽な心持ちになってるんじゃないかと。肉体的には睡魔を削り、精神的には罵倒やリスクを背負うかもしれませんが、社会的にみて私はいかなる意味を紡ぎだせるというのでしょうか。赤の他人から見れば、どうでもいいことに躍起になってるだけ。と思い込んでしまうと絶望します。
ハンナ・アレントの『人間の条件』を読み、私は仕事というものは労働に耐え兼ねた動物たちの免罪符だと捉らえはじめています。つまり、人間にも動物にもなりきれない中途半端な浮遊霊なのではないか。そして世の中はあまりに浮遊霊が蔓延しすぎている。そういう意味で私は動物やNEETにある種のシンパシーや憧れを感じているのです。
このような発想が頭に描かれてしまう時点で、私は社会不適合者なのかもしれません。このような失念を覆い隠そうとする性癖こそ、半端ないぬなのかもしれません。
- 作者: ハンナアレント,Hannah Arendt,志水速雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1994/10
- メディア: 文庫
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