この二週間ほど新幹線や飛行機をのりまくっているにも関わらず、ココロここにあらず。『ひぐらしのなく頃に』に傾倒しすぎるあまり、この素晴らしいゲームをみんなにも味わってほしい、という思いで、しれっとコミュニケーションプランを考えてみました。

コアなひぐらしファンはネタバレ満載なので、出題編を読破していない諸氏は注意してお読みください。

■ コンシューマ版ひぐらし発売にむけてのコミュニケーション戦争

□ 前哨
かつて『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』という映画があった。超低予算のホラー映画でありながら全世界的な大ヒットとなった。実はその映画のヒットの要因は、当時としては先駆的なPRとバイラルを交錯させた周到なメディア戦略によるものだった。それは実際のニュースのなかで、映画のモチーフそのものを、いかにも本当に猟奇殺人が行われてしまったかのように報道したバーチャリアルとでもいうべき、大胆で非常識なものだった。もちろんそれは大変なクレームの嵐となったが、話題性のあるコンテンツには相応のメディアを用意してあげなければ可愛そう、という広告マンの情熱がうかがいしれる。『ひぐらしのなく頃に』は日本版『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を思わせる要素が十二分に含まれている(どちらも基本はホラーである)。その事例をヒントに、そして常識の範囲内でプロモーション戦略を考えてみた。


空爆
概要 :雛見沢市での連続怪死事件スクープを雑誌連載
被爆者:コアなオタクから一般人まで

ゲーム中でも度々登場しているように、週刊誌で賑わいを見せたオヤシロさまの祟りをゴシップで賑わせてやろう、という記事広告の企画。きちんと読めば記事が何かを模したものだと気付くが、初見だといかにも残酷で悲劇的な事件を呈しており、一般読者の目を惹きつけつつも、ひぐらしファンのミステリー心をさらにくすぐる仕掛けといえよう。連載は「アサヒ芸能」や「SPA」などの三流大衆誌での連載が望ましい。むかし、故・中島らもがコピーライター時代に「宝島」誌上での連載を手がけていた“かまぼこ新聞”をシュールに、かつリアリスティックに演出してみる感じだ。


□ 地上戦
概要 :エンジェルモートの駅前模擬店
被爆者:コアなオタク

詩音がバイトしている萌え喫茶店「エンジェルモート」を秋葉原メイリッシュとタイアップ(というか間借り)して臨時開業する。そこではPS2の体験版のプレイはもちろん、マンガ版やアニメ版のひぐらしも各種取り揃えておく。じゃんけんゲームに勝ったキモ野郎には仕方ないのでおしぼりふきふきプレイをサービス。デザート食べ放題DAYのプレミアチケットはソフマップの店頭オークションにより購入可能。イベント当日Yでは、エンジェルメイドを司会に、お客さま参加型のひぐらし推理合戦を行うことができる恐怖の別室を用意。もちろん8篇のストーリーとネタバレを考慮して部屋は区分けする。ネタバレを起こそうという輩には、竜宮レナ風メイドが鷹の目で「嘘だッ!!!」と罵り、鉈をテンプルにぶちまけ強制退出。


□ 海上戦
概要 :トラックバックで答える推理キャンペーン
被爆者:コアなオタクから一般人まで

PS2版オリジナルの「盥回し編」「憑落し編」「澪尽し編」にまつわる情報を公式ブログ上で、キーワード的に少しずつ開示していき、ブログ上でバイラルを狙う。それと同時並行でちょっとした謎解きショートストーリーを公開し、トラックバックで解答を受付。正解者にはPS2版ひぐらしをプレゼントするキャンペーン。大賞はどっかのエセ雛見沢市に大自然を見学ツアーとか。ダブルチャンス賞には「レナの鉈」「悟史のバット」「エンジェルモートのメイド服」など。


□ 反則(販促)技
概要:セブンスマート秋葉原店をオープン
対象:ひぐらし潜在顧客
セブンイレブン秋葉原店(あるのか?)の看板を1ヶ月限定で「セブンスマート」に変えてみる。限定商品は、エースコックとの共同開発でスーパーカップ「豚骨ショウガ味」を発売。レナや梨花によるお手製弁当(タコさんウィンナー入れとこう)。知恵先生のカレー菜園でとれたインド式野菜カレー。○○○入りのおはぎ(ネタばれ防止)。


□ 超反則(禁じ手)技
概要:拷問部屋で隠蔽殺人して、バレる
対象:基地外

バラバラ殺人を実際に…………やってみる。そんでワイドショーをばっと賑わせる。ホラー映画とかでそういうジンクスがあったね。あの主演の女の子、撮影中に死んだんだってね……とか。回し者が仕掛けてるんじゃないの。こういうのはコミュニケーション屋としては反則ですな。効果的だけど。