51×マーケターの営業化

ADKインタラクティブの横山氏が、ネットをわかる総合広告代理店の営業マンが育たないとやばいよと警鐘を鳴らしている。確かに私の周りも「いまだに」WEBを知らない人間が大多数で、私のようなWEB白痴にお鉢がまわってきてテンパっている。私はWEBの話をよく取り上げるが決して得意ではないのだ。
■CNET Japan「インタラクティブ営業の必要性」

横山氏も言うようにインタラクティブ領域はあまりに裾野が広すぎて、まったく追いついていけない。しかも私のような中堅のマーケティングプランナーは、マスメディアの知識は完備してないといけないし(ネット代理店の野郎もマス批判せずに勉強してみろや)、SPの重要性も高まってきた。PRのネタ作りは絶対に必要だしそのネットワークさえ期待される。マーケター本来の領分であるリサーチ業務から課題抽出作業、解決型のコミュニケーション戦略構築まで一貫して対応しなければならない。すると当然ながらクリエイティブの管理にも迫られる。結局は我々もクリエイティブがやりたくて面倒臭い業務を我慢しているわけだからやりたいけど、やったらやったで忙殺され、やらなくてもクリエイターとの折衝と調整に心労するし。お得意の悩みを本気で答えようと思ったら経営や開発の話まで踏み込まざるを得ないし、やれと脅されることもしばしば。そんな実務状況の中で果たしてインタラクティブの媒体知識やら世論やらニューメソッドなどを全部追いきれるだろうか。追いきれるわけがない。
上記をぜんぶガチでこなしている奴は年間数10〜100億のアカウントがあるクライアントを一社だけ担当し、かつ複数人のチームで作業をしている。

横山氏は以下のように主張する。

米国のインタラクティブエージェンシーが、一部でマス広告のバイイングもやり始めているのは、広告主のマーケティングの中核を押さえ始めたからだ。彼らは単に専門エージェンシーではなく、インタラクティブを攻略起点とするトータルエージェンシーになっている。日本でも総合広告会社におけるスキルをベースに、ネット系の常に新しい商品やアイディアを勉強して提供しつづける文化をもった次世代広告マン人材の集団=次世代インタラクティブエージェンシーが必要である。

広告マンが必要なスキルに、マスとネットとマーケティングが求められているわけだ。マスは金稼ぎにどうしても必要だが、やはりネットを理解している人間がいなければお得意先はいつかキレるだろう。ほとんどのマス広告は無意味化しているのはもはや周知だ。ネットを理解した戦略家が広告ビジネスに求められている。電通は2008年の何月かに久々の大掛かりな組織改正をしたが、要はそのホワイトカラーの戦略家と、戦略に基づいて手足になってくれるブルーワーカーを求めている組織図だった。
そして中堅の広告会社では、マーケターこそが課題解決志向の領域を一手に担っている。これでは営業は日銭稼ぎに躍起になるだけで、なにも広告界は変わらない。営業のリテラシーをどんどんあげていかねばならない。

そうするとマーケターがどんどんインタラクティブ営業に転嫁していく必要があるのかもしれない。広告ビジネスはねちねち戦略を練っていては日が暮れる。マーケターの本来の業務は日々、脱構築されはじめているのだ。