3×ダブルバインド
私は政治も嫌いだが、それ以上に仕事が大嫌いである。*1 というより、私のなかで政治と仕事はほとんど同じ性質のものなのだ。
ではなぜ仕事が嫌いなのか。そして仕事とはなにか。「ダブルバインド(二重拘束)」の一言で言い当てられるだろう。これは言語学者のグレゴリー・ベイトソンによる発明であった。
ウィキペディアの解説を参照してみたい。
ダブルバインド(double bind theory)とは、統合失調症の発生因とされる家族内コミュニケーション・パターン。現在では、統合失調症の原因であるという説はあまり支持されていない。
- 2人以上の人間の間で
- 繰り返し経験され
- 最初に否定的な命令が出され
- 次にそれとは矛盾する第二の否定的な命令が、異なる水準で出される
- そして第三の命令はその矛盾する事態から逃げ出してはならないというものであり
- ついにこのような矛盾した形世界が成立しているとして全体をみるようになる
という状態をいう。
例えば「私は嘘つきである」というメッセージは2つの意味を内包しており、かつ矛盾しているだろう。「私は嘘つきである」という文字通りの意味は伝えつつ、その裏側では「嘘つきってのもウソだよ」というメタメッセージも残留してしまうため、真人間だと自家中毒を引き起こしてしまう。にも関わらず、これを両方とも受け入れろ、と抑圧することをダブルバインドと呼ぶわけだ。
仕事論に置き換えてみれば、短期的戦術と中長期的戦略の両立であり、もっとわかりやすく、しかもさらにメタレベルの二重拘束でいうならば「売上は稼げ、でもブランドは確立しろ!」「そして残業はするな、もちろんタクシーは厳禁!」 つまるところ『生きながら死ね』といっているような状態であり、精神分裂の原因だといわれても仕方ないだろう。この文章もmixiで書いちゃうような極めて低劣なネタだが、気分を変えてダブルバインド現象から逃避したいのだから致し方ないだろう。
- 作者: グレゴリーベイトソン,Gregory Bateson,佐藤良明
- 出版社/メーカー: 新思索社
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ちなみに私はいま、いぬ、ねこ、とりのトリプルバインドに陥っている。早く樹海から抜け出して、人間になれるようアウフヘーベンしなければならない。