広告論

27×アカウントプランニング

昔からすごく疑問なんですが。ネット系の広告代理店の人の名刺って、なんでアカウントプランナーって書いてるんでしょうか。ネット「系」の企業に勤めている時点で、アカウントプランニングできるわけがありません。なぜなら彼らには、明確にセールスメニュ…

26×メディア再考2

インターネットは創造を助長する「アフォード・メディア」とすれば、既存メディアはそれを包括し概観する「メタ・メディア」だと捉える。鈴木健はアラン・ケイを以下のように評している。 パーソナルコンピュータの父と呼ばれるアラン・ケイが、その概念を発…

25×メディア再考

次世代を描く広告論のためのメモ。メディアはメッセージであり、接触ポイントであり、コミュニケーションそのものだと考えてその展望を解く。 - マーシャル・マクルーハン「メディアはメッセージである」「クールメディア・ホットメディア」。原研哉。深澤直…

24×TSUBAKI

資生堂TSUBAKIは素晴らしい。マキアージュや「一瞬も一生も美しく」の正月広告にも眩暈がしたけど。ブラウン管越しに、電車で降りた時に、心がドキドキ鼓動する。 http://www.shiseido.co.jp/tsubaki/cm/haru_75.htm出演は仲間由紀恵、田中麗奈、上原多香子…

23×コンペ

朝日広告賞にこっそり応募してましたが、入選連絡がこないのでどうやら落選したみたい。なので晒してしまいます。テーマは不正コピー、不正アップロードに反対する著作権団体がかなでる「Respect our music」キャンペーン。いつも私が言ってることとまったく…

22×中国

中国では国営放送でCMを流してて、そのゴールデンタイムの枠は入札制だそうです。で、最近は世界一のマーケティング会社であるP&Gが競り落としました。ということはバイイング会社が立たずに、クライアント直取だってことですね。さすが中国人、生の刺…

21×ニンテンドーDS

すごく意外な感じですが、去年はPSPよりもニンテンドーDSの方が遥かに売れたそうです。アキバblogによると、今月は秋葉原ではどこも品切れ状態らしいですし。 ■ゲーム機市場、ニンテンドーDSが圧勝 大人向け後押しDSとPSPの発売時期はほとんど被っていて、…

20×2006年の抱負

2006年の抱負めいたものを記しておかねばならない。そのためには昨年できなかったことはなにか振り返らねばならないが、2005年は驚くほど何もできていない一年であり、猛省している。やりたいことが明確にされていなかったのが問題だったかもしれない。とい…

13+19

先日、原宿で行われた広告サミット2005を聴講してきた。インタラクティブ広告に関するセッションで、木下謙一(ラナデザイン)、福田敏也(777インタラクティブ)、中村勇吾(tha ltd)というメンバーに加えてなぜかアニリール・セルカン(宇宙飛行士候補)…

12+18×串を刺す

博報堂の小沢正光という人の考え方は、最も感銘を受けた小話のひとつである。彼はクリエイターであるがクリエイティブはビジネスであり、訓練によって達成できうるものだ、と喝破したうえで、広告コンセプトはアウターだけでなくインナーにも共有されねばな…

17×論文

コモンズ・マーケティングについて連載中でしたが、とりあえずこれまでの広告周辺の議論をまとめて学会に出したので読んでみてください。発表は来年の5月頃です。 ■コモンズとパーミッションによる両輪駆動マーケティング http://userhost-1.cmo.jp/~takuma…

16×コモンズ・マーケティング

嫌われた企業をもう一度好きになってもらうためには、自社コンテンツにクリエイティブ・コモンズのライセンスを実装する必要がある。ではそれはどんなものなのか? また例え話からはじめよう。愛知万博のマスコットキャラである「モリゾー&キッコロ」の顔パ…

15×メセナ2

来週早々までに、この広告論のまとめを12000字程度に書き上げねばならない現実にうんざりしつつ、さらにまだ自分の結論にまったく自信が持てない。とはいえタイムリミットも迫ってきたので、そろそろ答えを決めつけねば…。 さて前回の議論では、私たちはメセ…

14×メセナ

私たちはいま、どうすれば私たちが広告を好きになれるのだろうか、という課題に取り組んでいる。前回の議論では、消費者は企業の営利的なメッセージ=純粋広告にはうんざりしきっている。ならば企業色を去勢してしまえば、すなわち広告を好きになるのではな…

13×広告は嫌われる

これまで問題があまりに学術的に陥りすぎたかもしれない。問題の本質をシンプルに捉えなおすことで、絡み合った糸がほぐれていくような気がする。そもそも私たちが答えなければならないのは「なぜ広告はこれほどまでに忌み嫌われてしまったのか?」という問…

12×規律から管理へ3

息抜き的に記してしまうが、正直情けないことに、なかなか思考を深める時間がない。いや、むしろちょっとしたスランプだと強がってみよう。まだまだ規律から管理へ、というアイデアで止まっている。とりあえずこれまでの議論をまとめておくが、ではどうすれ…

11×規律から管理へ2

以前からぼくは『トゥルーマン・ショー』で描かれた広告が脱臭化された幽霊的な世界から、『マイノリティ・リポート』のバイオメトリクスで監視された近未来広告への移行を、それぞれフーコーとドゥルーズを参照しながら捉えてきた。前回の章で「規律から管…

10×規律から管理へ

最近の流行として「インフォマーシャル」や「プロダクト・プレースメント」という手法が注目されている。 前者はTVショッピング風に自社製品の紹介ニュースを行う尺の長いCMのことで、これが「インフォマーシャル」。後者は映画やドラマの設定の中で、さ…

9×メガ

アメリカの広告代理店事情に詳しい方から、なかなか示唆に富んだ話を聞けた。ますます隆盛に向かうメガエージェンシー化の流行について。メガ、といっても実際その傘下は細分化している。後述するが、むしろメガとは実体のないものだ。 政治を除外すれば、広…

8×カルスタ

紀伊国屋書店で行われた『東京スタディーズ』刊行記念のトークショーを覗きにいった。編者である吉見 俊哉と若林 幹夫に加え、ライターの一人である北田 暁大による鼎談であった。ポストモダンの良質な嫡子として拡がったカルチュアルスタディーズ。その典型…

7× 贈与

昨年の8月くらいに出した広告論文が入賞した。しかもトップ入選らしい。でもさ、半年もかけて審査していたせいで、もう色褪せちゃってるよ あんなもん。それで受賞式は5月。なんでこんなに時間かかるんでしょうね。さて、あの論文のキーワードは「共有」で…

6×ポストモダン

昨年、ぼくは小論をかいて学会に提出した。それはそれで良いとして、消化不良なのが、参考文献の記述さえ字数としてカウントされるくせに、6000字以内の規定を設けているため、書き手の読み込み方さえ提示できない浅はかな議論にしかなりえなかった。今年は…

5×ボトムアップ

3年前のぼくは、故・中島らも氏の生き方に憧れて「宣伝会議」という雑誌が主宰しているコピーライターを養成するスクールに通うことを決めた。このサイトで日誌をはじめたのもこいつがキッカケだった。そのころ週1ペースで更新してアップしていた。だけど…

4×アクティブ・コンシューマー

秋山 隆平×杉山 恒太郎『ホリスティック・コミュニケーション』を読んだ。彼らの主張は整然とされ、かつシンプルなので、以下のようにカンタンに帰結してしまえる。ホリスティック・コミュニケーション作者: 秋山隆平,杉山恒太郎出版社/メーカー: 宣伝会議発…

3×朝のリレー

(最近 広告の話ばっかりで気が滅入ってしまうが…ネタがないので) ネスカフェの企業広告がACCのグランプリを取った。 ↓ http://www.acc-cm.or.jp/festival/04fes_result/index.html http://jp.nescafe.com/tvcm/morning.html国内では最高の栄誉に輝いた…

2×ホリスティック・コミュニケーション

専門誌を歩き読みしていたら、電通インタラクティブ局のおっさんが、ウェブ広告の考え方についてピンとくる話をしている。「みんな」に向けて放つのがオーソライズド・バリュー型。対して「あなた」に向けるのがパーソナライズド・バリュー型。で、この2つ…

1×ティーザー

どうにもこうにも 目にする機会が増えた気がする。元祖っつーか流行らせたのはアサヒ本生。すこし前だと三菱自動車のCOLTかな。最近だとヘアケア商材でこの手のものが溢れてきた。女って単純なのよね。おそらく、ひたすらゴリ押しだけだと訴求ポイントが…