物語論から表現論へ

YouTubeに音声を吹き込んで『けいおん!』について語ってみました。テクストで書けない分析があれば、なにもテクストで書く必要はないんじゃないかと思い、下手くそなしゃべりで記述したというわけです。けっこう簡単にできるので、今後も試してみたいと思い…

糸井重里と約束3

新しい広告のあり方を探る会議にて、新しいプランニングの流れを作っていた。結局は昔から試されてきたフレームそのものになってしまい、なるほど偉人を乗り越えるとはなかなか難しいものだなと改めて実感していた。しかしながらここで私は徹底して守ったの…

メタフィジカルな生成力の環境

『思想地図 vol.3』におさめられた「アーキテクチャと思考の場所」というシンポジウムの再録を読んだ。このなかで建築家の磯崎新は、メタフィジカル(形而上学的)なものを いかにしてフィジカル(物理学的)に落とすかが問題だ、という主旨の発言をしている…

ビジュアル国語辞典

R25で「ビジュアル国語辞典」という企画をやっています。日テレで1回限りの60秒CMも放送したそうです。基本的に映像コンテンツですが、これは大変すばらしい。驚きました。私がやりたいことは正にこのような仕事です。 まず第一にこの仕事は、商品から出発せ…

三十三の謎

「ひぐらしのなく頃に 絆 第三巻・螺」が2009/5/28(木)に発売されます。発売に伴いスペシャルサイト「三十三の謎」を開始しました。毎日、ひぐらしの謎をテーマにした動画とTIPSを掲載していきます。5/19から6/19まで33日間、毎日更新されます。テレビCM、…

Yooouuu Tuuube

「Yooouuu Tuuube」という動画変換サービスがおもしろい。うちの会社の人に教えてもらいました。これはYouTubeの動画をマルチフレームの動画に変換してくれるもの。ひとつずつのフレームに少し時間差をつけるので、波がうごめいているように見えます。バンザ…

2つの約束

「約束」は、現在において極めて重要なキータームになりうる。そのために私は糸井重里という人物を通して、これからの広告表現の本質を、約束という視点から再定義しようと試みていた。しかしながら約束とは、あらゆる表象、そして表現行為においても。ひい…

影響を受けた表現

これまで私が人生で最も感動した「表現」とはなにか、振り返ってみたくなった。5つあげるなら、迷いなくこの5つだろう。 1.スタンリー・キューブリック『時計仕掛けのオレンジ』 私の源流には、キューブリックが息づいている。雑誌「SMART」を読んでたら…

余地を残した物語

わざとNGシーンを取り込むテレビCMが増えている。 例えば「タンスにゴン」のCMでは、左のうさぎが途中でバランスを崩しながら踏んばる様子をそのままワンカットで撮り続けている。 「ラッキーサイダー」のCMでは、佐々木希がポージングしながらも、…

ソーシャルタギング4

第2回目のエントリで、タギングはカテゴリの概念と何がどう異なるのかという課題を残した。そのための手引きにしたいのは濱野智史による「ニコニコ動画の生成力」という論考である。濱野はクリエイティブのあり方を、創造力と生成力に分けている。そしてニコ…

美術に投資

超忙しい合い間をくぐりぬけて、「アートフェア東京」と「101東京コンテンポラリーアートフェア」の展示会に行ってきました。展示即売会だとかギャラリーフェアみたいなもので、ほとんどすべての作品に値札がついてます。株やらFXやるより、美術に投資したほ…

“読む”から“詠む”へ

どうも私は失語症なのではないだろうか。本はたくさん読むが、記憶に残らない。文字と文字の連なりがない。三島由紀夫をあれほど貪り食ったのに何一つその物語を覚えていない。キーワードを断片にして脳にストックし、たまに閃光のようにその霊験が降りてく…

20世紀少年・21世紀少年

この文章は『20世紀少年』『21世紀少年』の重要なネタバレを記述しています。よく注意してお読み下さい。 浦沢直樹の『20世紀少年』『21世紀少年』を読んだ。この作品は竜騎士07の『ひぐらしのなく頃に』『ひぐらしのなく頃に 解』と極めて似た構造を抱えた…

改造スパルタンX

こんにちは。ゲームを買わずにプレイもせずに、ニコニコ動画のプレイ動画を視聴してゲームをやった気になっている痛い子のtakumauです。 「SmaStation」でゲストとして出演し「ゲームをやるために生まれてきました!」とのたまったり「俺、高橋名人より連射…

糸井重里と約束2

発話はパフォーマティブ(行為遂行的)なものとコンスタティブ(事実確認的)なものに分かれている。例えば雑誌をパラパラとめくっている時に、Aくんが「このページは広告である」と発言したとする。これはコンスタティブな発話である。なぜか。そのページが…

マクルーハン再考2

メディアがメディアたる理由が消失しつつある今日において、メディアに代替するものは登場する可能性はあるのだろうか。ヒンメルワイトによるメディアの代替過程によると、新しいメディアは既存のメディアの使用状況を変えてしまうと説いた。では最も既存メ…

伝達の不確実性によって生じる人間の想像力

部屋を掃除していたら、高校生の時に書いた小論の文集が出てきた。もう10年前になる。たくさんあって恥ずかしい文章ばかりだが、下記に転用するものは、おお、我ながらかなり鋭い視点じゃないかと思ったので採録してみる。誤配とか郵便性とかMAD的空間とか、…

iMacクラッシュ 2

こんにちは。いまだに壊れ尽くしたMacを毎日メンテしているtakumauです。 とはいえさすがに、もう治す気力も失ってきた。そんな矢先にMacの新モデルが登場しましたね。次のモデルは形を変えてフルモデルチェンジになるだろうが、ないと仕事に支障をきたすの…

リセットしない人生

石川遼がタイガー・ウッズに初対面した2009年2月24日に、授けられた言葉。 「人々が君のことを書いたり、話したりしたからといって、高いドローや低いフェードを打てるわけではない」私は芸能の時事ネタはブログで書かない主義なのだが、ものすごい刺さった…

マクルーハン再考1

明らかにマーシャル・マクルーハンの意義を振り返る人が増えている。学識者はもちろん産業人も参照している。これはなぜか。私はメディア論はそれこそマクルーハン程度しか触っていない体たらくだが、コミュニケーション論を語るうえでマクルーハンは欠かせ…

ネットスター 09年2月号

私が唯一見ているテレビ番組「ネットスター」の2月号は必見である。「ひぐらしのなく頃に」の原作者である竜騎士07がついに登場しました。この番組、BSにも関わらずNHKのホームページ全体でもアクセス数が5位なんだとか。こだわりと視座の広さといい、NHKの…

鉛筆とキーボードの違い

本日、とある試験を受けた。2時間拘束され論述を4題。モチーフも動画共有サイトとか、オープンアーキテクチャやらソフトパワー等の私が持っている本ばかりから出題されていたので楽勝、と思いきや、いざ終わってみると時間足らずで埋めることができなかった……

糸井重里と約束

糸井重里が手掛けた1988年の西武百貨店のコピー「ほしいものが、ほしいわ。」は、文末をこう結んでいる。 だから、まずひとつだけ、約束させてください。四月の新学期までに、みんなが練習して、商品の包み方が一番上手な百貨店になります。 糸井重里のコピ…

iMacクラッシュ 1

久々にカテゴリに分類されない雑談を書く。そんなエントリを「ナンセンス」と振り分けてます。このカテゴリも本当は整理したいが、はてな記法だとまるごと手作業しなきゃいけないので機能改善されるのを待ってます。カテゴリ編集したらエントリがそのまま反…

動機と同期 ― 広告表現とクリエイターの再編成論

2008年に書いた小論をアップしておく。私がソーシャルタギング論を考えることになったきっかけやその必然性が描かれていると思う。ぜひご覧あれ。 「動機と同期 ― 広告表現とクリエイターの再編成論」 本論では、情報飽和社会において求められる広告表現と、…

60+18×ソーシャルタギング3

近日中にWEBサイトを作り直すはずが、余暇も削がれていって時間かかってしまいそうな感じなのでとりあえずブログだけちょっとデザイン変えました。WEBサイトが変わった時にまたブログもいじることになるが、まぁいいやということで。先日アップした「集団推…

59×インサイト

新広告潮流研究会というプロジェクトを運営して1年が経った。その前にも私は2年ほど外部でマーケティングの研究会をしてたから、なんだかんだ言って毎月1度はマジメに広告を語り続けてきたことになる。そのせいか最近は批評的なこともあまり導入せず、わ…

58×TIAA

東京インタラクティブアドアワード(TIAA)に応募するためにポートフォリオを作りました。「集団推理検索プロジェクト」と銘じました。またもや不眠不休でガリガリつくってました。ムービーを編集したのは久し振りです。なかなか楽しかったがやっぱりエディ…

15×卒業制作展

武蔵野美術大学の卒展に行ってきた。私の同級生がパネラーとして登壇するので見ておこうと思ったついでである。5年振りに卒展を見た。ファイン系のレベルが格段に上がっていると感じた。特に油絵科と彫刻科。その1号館が全面コンクリートの建物にフルリニュ…