広告論

論考:アクションエコノミー時代に見えないボタンを押せ

3年振りにながめの論考をかきました。我ながら とてもよくかけてると思います。転職して5年、血のにじむような体験をして(笑)蓄積からうまれた思考がほとばしっています。ある懸賞論文に応募してましたが あえなく落選したのでブログで公開してしまいます…

論考:アブダクティブ・イシュー 〜 Why to Sayを問う構想力 〜

これからの広告における想像力のあり方について論考をまとめました。つねづねぼくはクリエイティビティとは、すなわちアブダクティビティであると考えてきました。クリエイティブという概念はもっと抜本的に変わるべきです。もうひとつの動機として、マーケ…

論考:第三の広告 〜 エゴフーガリストの生み出す力と育てる力 〜

2010年に『.review』という批評誌で発表した論考をこちらでも公開します。ウェブサイトでも公開されてましたが閉鎖されてたので。この論考で考えてたことやいきさつについてはこのエントリでかいたのでご参考までに。 第三の広告 〜 エゴフーガリストの生み…

プロセスにこそ企画は宿る

広告はアイデアとデザインの時代から、ストーリーとテクノロジーやクラフトワークの時代へと変わったと主張する人がいる。この主張に異論はない。エビデンスを持った人こそ強者になるべきだと思う。賛成である。ただここでひとつ抜け落ちている観点がある。…

中小と大手広告代理店のちがい

ぼくは7年つとめた中小広告代理店をやめて、2011年2月に電通へ転職した。それから約3ヶ月たった。その間に知人から必ず尋ねられるのは「なんで転職したんですか?」「転職していちばん変わったことはなんですか?」である。この質問は転職した人ならだれしも…

ベアトリーチェの挑戦状 × 自律と贈与

PS3版『うみねこのなく頃に 〜魔女と推理の輪舞曲〜』が2010年12月16日に発売された。ぼくは公式サイトの制作をお手伝いしており「ベアトリーチェの挑戦状」という特殊なプロモーションを行っている。毎週、魔女がプレイヤーに対して挑戦を投げかけ、プレイ…

クリエーティブは□の外へ

日本広告学会が主催する第三回クリエーティブ・フォーラム「クリエーティブは□の外へ」へ出席してきた。ワイデン+ケネディの伊藤直樹、the.ltdの中村勇吾、人材プランナーの山本直人、東海大学の小泉眞人、博報堂の須田和博など、たいへん豪華な顔ぶれだっ…

マクルーハン再考 4

高校二年生の時にかいた小論文で、我ながら気になってやまないフレーズがある。 「パウル・クレーの線は、メディアである」NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』で、漫画家の浦沢直樹が愛好するロダンのクロッキーを皮切りに、絵の輪郭線について語っている…

第三の道と第三の広告

Twitterをはじめてから半年も経たないのに、世界がダイナミックに動いていって毎日ついていくのが大変なほどだ。そんなTwitterの潮流が続々と押し寄せるなか、『思想地図』の論考で注目をしていた研究者・西田亮介が「.review(ドットレビュー)」という批評…

owatter つぶやきのなく頃に

「ひぐらしのなく頃に絆」が第四巻で完結した。最後の記念に「owatter つぶやきのなく頃に」というTwitterを使った掲示板サイトをつくった。 Twitterでハッシュタグ #kizuna4 をつけてつぶやくと、この掲示板にみんなのつぶやきが表示されて楽しめる仕掛けに…

朝日広告賞2009

まいにち睡眠3時間が1年くらい続いてないかという生活を過ごしています。Twitterでの活動がおもしろすぎて、どうもブログが手薄になってしまいますが、ぼくの思考の居場所はブログだと思ってるので、見えない読者の方々、今年もよろしくお願いします。 そ…

啓蒙かまぼこ新聞

小説家の中島らも。彼がコピーライターだった時代の代表作に『啓蒙かまぼこ新聞』という伝説の雑誌広告がある。2ページの見開きで、カネテツデリカフーズのかまぼこをネタにして、商品とは何の関係もない、中島らものふざけたエッセイや4コママンガ、読者…

集まる創発と群がる創出

ある論文を書き終えて、ほっと一息している。ブログをさぼってTwitterばかりやってたので、そこで貯めたメモをブログで書いていくことにしよう。それにしてもTwitterを試していて確信したのだが、私はTwitterそのものは否定しないのだが、Twitterに群がって…

マクルーハン再考 3

2008年に休刊になったInterCommunicationの最終65号で、東京芸術大学の佐藤雅彦は、ある意味体系を含んだ物理的信号のことを情報だと定義し、その情報を送り手と受け手のあいだで意味を共有させる行為をコミュニケーションだと定義した。そこで佐藤との対談…

広告白書2009

日経広告研究所から『広告白書2009』が発売されました。私はインターネット関連の項目を担当しています。 2008年から現在にかけての最も大きな変動は、日本の総ページビュー数がはじめて減少したにも関わらず、逆に総利用時間が向上したことがあげられるでし…

糸井重里と約束3

新しい広告のあり方を探る会議にて、新しいプランニングの流れを作っていた。結局は昔から試されてきたフレームそのものになってしまい、なるほど偉人を乗り越えるとはなかなか難しいものだなと改めて実感していた。しかしながらここで私は徹底して守ったの…

ビジュアル国語辞典

R25で「ビジュアル国語辞典」という企画をやっています。日テレで1回限りの60秒CMも放送したそうです。基本的に映像コンテンツですが、これは大変すばらしい。驚きました。私がやりたいことは正にこのような仕事です。 まず第一にこの仕事は、商品から出発せ…

三十三の謎

「ひぐらしのなく頃に 絆 第三巻・螺」が2009/5/28(木)に発売されます。発売に伴いスペシャルサイト「三十三の謎」を開始しました。毎日、ひぐらしの謎をテーマにした動画とTIPSを掲載していきます。5/19から6/19まで33日間、毎日更新されます。テレビCM、…

Yooouuu Tuuube

「Yooouuu Tuuube」という動画変換サービスがおもしろい。うちの会社の人に教えてもらいました。これはYouTubeの動画をマルチフレームの動画に変換してくれるもの。ひとつずつのフレームに少し時間差をつけるので、波がうごめいているように見えます。バンザ…

余地を残した物語

わざとNGシーンを取り込むテレビCMが増えている。 例えば「タンスにゴン」のCMでは、左のうさぎが途中でバランスを崩しながら踏んばる様子をそのままワンカットで撮り続けている。 「ラッキーサイダー」のCMでは、佐々木希がポージングしながらも、…

ソーシャルタギング4

第2回目のエントリで、タギングはカテゴリの概念と何がどう異なるのかという課題を残した。そのための手引きにしたいのは濱野智史による「ニコニコ動画の生成力」という論考である。濱野はクリエイティブのあり方を、創造力と生成力に分けている。そしてニコ…

“読む”から“詠む”へ

どうも私は失語症なのではないだろうか。本はたくさん読むが、記憶に残らない。文字と文字の連なりがない。三島由紀夫をあれほど貪り食ったのに何一つその物語を覚えていない。キーワードを断片にして脳にストックし、たまに閃光のようにその霊験が降りてく…

糸井重里と約束2

発話はパフォーマティブ(行為遂行的)なものとコンスタティブ(事実確認的)なものに分かれている。例えば雑誌をパラパラとめくっている時に、Aくんが「このページは広告である」と発言したとする。これはコンスタティブな発話である。なぜか。そのページが…

マクルーハン再考2

メディアがメディアたる理由が消失しつつある今日において、メディアに代替するものは登場する可能性はあるのだろうか。ヒンメルワイトによるメディアの代替過程によると、新しいメディアは既存のメディアの使用状況を変えてしまうと説いた。では最も既存メ…

マクルーハン再考1

明らかにマーシャル・マクルーハンの意義を振り返る人が増えている。学識者はもちろん産業人も参照している。これはなぜか。私はメディア論はそれこそマクルーハン程度しか触っていない体たらくだが、コミュニケーション論を語るうえでマクルーハンは欠かせ…

糸井重里と約束

糸井重里が手掛けた1988年の西武百貨店のコピー「ほしいものが、ほしいわ。」は、文末をこう結んでいる。 だから、まずひとつだけ、約束させてください。四月の新学期までに、みんなが練習して、商品の包み方が一番上手な百貨店になります。 糸井重里のコピ…

動機と同期 ― 広告表現とクリエイターの再編成論

2008年に書いた小論をアップしておく。私がソーシャルタギング論を考えることになったきっかけやその必然性が描かれていると思う。ぜひご覧あれ。 「動機と同期 ― 広告表現とクリエイターの再編成論」 本論では、情報飽和社会において求められる広告表現と、…

60+18×ソーシャルタギング3

近日中にWEBサイトを作り直すはずが、余暇も削がれていって時間かかってしまいそうな感じなのでとりあえずブログだけちょっとデザイン変えました。WEBサイトが変わった時にまたブログもいじることになるが、まぁいいやということで。先日アップした「集団推…

59×インサイト

新広告潮流研究会というプロジェクトを運営して1年が経った。その前にも私は2年ほど外部でマーケティングの研究会をしてたから、なんだかんだ言って毎月1度はマジメに広告を語り続けてきたことになる。そのせいか最近は批評的なこともあまり導入せず、わ…

58×TIAA

東京インタラクティブアドアワード(TIAA)に応募するためにポートフォリオを作りました。「集団推理検索プロジェクト」と銘じました。またもや不眠不休でガリガリつくってました。ムービーを編集したのは久し振りです。なかなか楽しかったがやっぱりエディ…